健康コラム

おしっこのトラブル(リハビリテーション科)

2016.06.22

今までおしっこをするときに、おしっこが漏れてしまったことはありませんか? もしかするとおしっこに関係する身体のはたらきが弱っているかもしれません!

●尿失禁

おしっこがもれてしまうことを専門用語で尿失禁といいます。尿失禁は、大きく分けて、ためられずに漏れてしまう蓄尿障害、出にくくてもれてしまう排尿障害、行動がとれずにもれてしまう環境障害に分けられます。 蓄尿障害には腹圧性(ふくあつせい)尿失禁・切迫性(せっぱくせい)尿失禁、排尿障害には溢流性(いつりゅうせい)尿失禁、環境障害には機能性尿失禁があります。 高齢の方々には、これらの失禁のタイプが重なっていたり、尿失禁の他にも排尿に関して問題を抱えている場合が多いといわれています。

●腹圧性尿失禁

腹圧性尿失禁は、咳やクシャミ、階段を降りたとき、大声を出したとき、重いものをもつなどお腹に力が入ったときにおしっこが漏れてしまう状態のことです。
腹圧性尿失禁の原因は、おしっこを止める筋肉がゆるんでいることが考えられますので、その筋肉を強化することで軽減または改善されることがあります。この筋肉を強化する方法を下に掲載しますので是非試してみてください。
※(1)(2)の図は骨盤を横からみた図で、赤い線は筋肉
です。)

osikko

 

この(1)~(3)を10回×4セットできるといいと思います。効果が現れるのは3ヶ月後くらいです。

●切迫性尿失禁

切迫性尿失禁は、おしっこがしたいと感じてから少しは我慢できるのですが、下着を下ろしているうちに、またはトイレに行くまでに間に合わず、おしっこが漏れてしまう状態のことです。
【対策】腹圧性尿失禁と同じように上の図で予防できます。

●溢流性尿失禁

溢流性尿失禁は、トイレではなかなかでないのに、気付かないうちに、おしっこが漏れてしまうという状態のことです。
【対策】まず医師に相談することをおすすめします。

●機能性尿失禁

機能性尿失禁は、手足がうまく使えずトイレに行くのに手間取る、おしっこがしたいという感覚を介護者に伝えられない、トイレの場所が分からなくなるなど、身体機能の問題や認知症などによる精神機能の問題でおしっこを漏らしてしまう状態のことです。
【対策】トイレ動作や介助方法の工夫、住環境の整備、福祉用具の活用があります。