「薬剤科の取組」

 患者様が安心して効果的な薬物治療をしっかりささえているのが私たち薬剤科の薬剤師です。 現在、薬剤科の薬剤師は5名です。私たちの主な仕事は、注射・内服薬の調剤・訪問服薬指導・ 入院患者の薬剤管理指導業務ですが、併設されている介護老人保健施設入所者の内服薬の調剤・ 薬品管理(専任1名)も行っています。
  また前向き取組みもご紹介致します。

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私たちの一日の仕事の流れ

午前8:30〜
  入院患者さんの内服・外用薬の調剤をしたり、病棟の注射薬の定数の補充を行います。 内服薬の調剤は完全1包化です。少ない人数で多くの入院患者様や入所者様の調剤を行います。 新鋭の自動調剤機は患者様の氏名・印字も見やすく、調剤作業の効率化に寄与してます。

午後1:00〜
  注射薬の個人別 セット調剤をします。 ※ 注射薬の個人別セット調剤とは個々の患者さんに必要 な注射薬を注射箋の内容をチェックし ながら(配合変化、相互作用の有無の確認) 正確に取り揃えます。

午後3:30〜
  入院患者様の薬剤管理指導のために病棟に行きます。 ※薬剤管理指導とは「薬剤管理指導書」に基づいて、入院患者様の持参薬の管理、薬の内容を 調べ、医師や看護師に内容を報告します。また、処方された薬(内服・外用薬・注射薬)につ いて説明をし、副作用の早期発見、コンプライアンスの向上、退院時の服楽指導も行っています。 (承諾叉は服従))

午後4:30〜
  週1回は、ナ−スの申し送りにも参加し、個々の患者様の状態把握し薬剤管理に役立てます。

◇訪問服薬指導の実施
  業務の流れの中でも、在宅診療を受けている方からの薬の依頼を受けると、処方された薬 を持って、患者様のお宅を訪問し、処方された薬の服薬指導・副作用チェックならびに薬の 管理も致します。

◇「薬局だより」の発行(適宜)を行い内外の啓蒙に尽力
  内容は、採用医薬品の紹介、毎月のトピックス、厚生労働省からの緊急案全情報をのせて発行。

◇各種セミナ−にも積極的に参加
  めまぐるしい医学の進歩に、自分たちの知識を向上させるために毎月、病院薬剤師会の主催す る薬学セミナ−、薬学研究会に参加したり、、各メ−カ−主催の勉強会にも積極的に参加し知識の向上につとめています。
  「クスリ」は反対から読むと「リスク」です。薬は一歩まちがえば大きなリスクを患者様にあ たえてしまいます。だから私たちは、常に薬が適正に使用されるように慎重に何度もチェックをして調剤しています。
  私たちには、薬のスペシャリストとして医師の回診に参加し、薬についての適切なアドバイス ができたらとの夢も抱き思い日々努力しています。今後の私たちの活躍に期待して下さい。  

●飲食物が薬物の治療効果に影響を与えるもの
 薬の中には、特定の食品や飲み物と相性の良くないものがあります。少しでも危険性がわかっていれば、その食品は避けることが賢明です。

飲食物
薬物
影響
機序
茶・コーヒー(カフェイン) キノロン系の抗生物質
炭酸水素ナトリウム
シメチヂン
カフェインの作用増強 代謝・排泄障害
抗痛風薬 ・ 解熱鎮痛薬 ・ワーファリン 併用薬の作用減弱
セフトロリアキソン 肝・消化器障害、血液障害、頭痛
交感神経刺激薬 不整脈、情動障害、不眠 中枢神経過敏
インデラル 心拍数減少  
ビタミンK含有食品(納豆、クロレラ、緑黄色野菜) ワーファリン 抗凝血作用減少 食品中のビタミンKがワーファリンと結合
牛乳 ニューキノロン系抗菌剤、テトラサイクリン、アモキシシリン、テオドール、ダイドロネル、鉄剤、エシトラサイド 作用減弱 キレート形成。薬の吸収阻害
セフェム系抗生物質 作用減弱 主剤分解、力価低下
エトレチナート、グリセオフルビン 作用減弱 溶解性増加
メチルジゴキシン 不整脈
腸溶錠 腸溶性の特質が失われる
ビタミンC プロクロルペラジン、マレイン酸トリフロペラジン 作用減弱
エチニールエストラジオール 血中濃度上昇
ワーファリン 抗凝固作用低下
ガーリック ワーファリン 出血増加
タバコ テオドール 効果減少
経口避妊薬(1日15本以上、35歳以上) 血栓症
チーズ イスコチン、タガメット 中毒(頭痛・嘔吐・発汗・動悸) トラミン高含有食品
エフピー 高血圧
まぐろ イスコチン 頭痛・顔面紅潮 ヒスタミン含有
ビタミンB6 ドパストン 効果減弱
イチョウ葉 アスピリン、アセトアミノフェン、ワーファリン 出血 中程度のCYP3A4阻害作用がある
チアジド系薬 血圧上昇
アルコール飲料・酒 中枢神経系用剤、末梢神経系用剤、抗アレルギー用剤 効果増強
シメチジン アルコール中毒 シメチジンが代謝阻害
クロルプロパミド 顔面紅潮 ジスルフィラム様作用
ニトログリセリン 低血圧 血管拡張作用
ハルシオン 記憶障害増幅 中枢抑制作用増強
一部のセフェム系薬(ベストコール、セエフォビット、セパトレン、セルペラゾン、セフメタゾン、ヤマテタン、トミポラン、メイセリン、シオマリン) 悪酔い ジスルフィラム様作用(セフェム系抗生物質の中にはアルデヒド脱水素酵素を阻害して嫌酒作用を示すものがある。)
グレープフルーツジュースおよびグレープフルーツ Ca拮抗薬(フェロジピン、ニソルジピン、ベラパミル、ニトレンジピン、マニジピン、ニカルジピン、ペニジピン)、シクロスポリン、テルフェナジン、ロバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、サキナビル、カルバマゼピン、ミダゾラム、トリアゾラム、ジアゼパム、アミオダロン等 副作用増強 消化管における酸化代謝酵素CYP3A4を阻害
コーラ ニコレット 効果減弱
食物繊維の多い食品 ジゴシン 吸収低下
ジュース+制酸剤 キニジン 中毒
チョウセンニンジン ワーファリン 効果減弱
MAO阻害薬 頭痛・ふるえ
SJW 免疫抑制薬、テオフィリン、経口避妊薬、抗てんかん薬、ジギタリス製剤、抗不整脈薬、ワ−ファリン、抗HIV薬 作用減弱 CYP450の誘導
飲食物
薬物
影響
機序
★グレープフルーツジュースとの相互作用は、グレープフルーツ中に含まれる成分が、消化管における酸化代謝酵素であるCYP3Aを阻害しバイオアベイラビリティを向上させることによって生ずると考えられている。また、消化管粘膜上皮細胞の粘膜側に存在する薬物排出輸送担体であるP-糖タンパク質に対する阻害も、一部寄与しているとの報告もある。一方、肝臓におけるCYP3Aに対する阻害作用はほとんど寄与していないと考えられている。 Ca拮抗薬のうちフェロジピン、ニソルジピンは有意に影響が見られるが、ニフェジピンでは影響が見られたという報告とみられなかったという報告がある。アムロジピン、ジルチアゼムの場合ほとんど影響はみられない。
★SJW (セントジョ−ンズ・ワ−ト、西洋弟切草、セイヨウオトギリソウ)
最近ドイツでは、軽〜中等度のうつ病を緩和する効果があるとされ、また既存の抗うつ剤と比べ副作用が低いとして注目をあびている一方、その有効成分や作用機序はまだよくわかっていない。 SJWには多環性芳香族炭化水素の一種であるヒペリシンとシュードヒペリシンと呼ばれる成分が含まれており、肝臓での酸化代謝酵素(チトクロームP450 1A1, 1A2)を強力に誘導する作用があると考えられている。またシクロスポリン、インジナビルなどのHIVプロテアーゼ阻害剤、経口避妊薬などはCYP 3A4によって主に代謝され、これはSJW中のヒペルフォリンが同定されている。だが一方でCYPを
阻害する効果も認められている。ジゴキシンにおいてはP-糖タンパク質が関与している可能性が考えられるが、まだ成分は同定されていない。

●日本で発売されているSJWが含まれる商品
リーラックス(ミナト製薬)、スィートドリームスサプリメント(コネクト)、ジョンズワート(日本ファミリーケア)、セントジョンズウォルト(ナチュラル・プロダクツ)、セイヨウオトギリソウエキス粒(皇漢薬品研究所)、気持ちがラク(マンナンフーズ)、サトウセントジョーンズワート(佐藤製薬)他。

■薬局だより■

「糖尿病と足の病気から守るフットケア」

 近年、透析導入者や糖尿病患者の増加に伴い、糖尿病合併症の進行、動脈硬化性疾患の併発などを背景に糖尿病性足潰瘍や壊疽などの糖尿病足病変(Diabetic Foot)に罹患する患者が急増し、年間約3,500人が下肢切断を余儀なくされています。非外傷性下肢切断の原因の過半数が糖尿病足病変によるものです。足切断を回避するためには、「フットケア」知識の普及だけでは不十分であり、足病変ハイリスク患者への重点的なフットケア指導と足処理が重要と考え、ここで「こんな人がかかりやすい」「こんなところにできやすい」「こんな症状に注意」「治療法」「フットケアのポイント」「靴の選び方」などを紹介します。

■糖尿病性足病変とは?
 糖尿病による神経障害で足の知覚神経が悪くなり、足に傷がついても気づかず放置しひどくなって潰瘍や感染症を伴って足が腐る(壊疽)という症状になってしまう病気です。ここで糖尿病性神経障害について解説します。
■糖尿病性神経障害
 血糖値が上昇し、それが乱高下すると、手足の自発痛(穿刺痛、電撃痛)・ピリピリ・ジンジンする異常な感覚、時には激痛が走ったり、足がつることもあります。痛みの特徴は、左右対称性で夜寝静まるころからひどくなります。これらは、繊細な神経線維が高血糖で痛めつけられている症状です。それを放置し高血糖が続くと、神経が次第に変性し刺激を伝えなくなってしまいます。但し糖尿病そのものを治療すれば治ります。
■傷ができやすいところ
■足病変の原因
靴ずれ、タコ、魚の目、深爪、やけど、すり傷、切り傷 、皮膚の乾燥・ひび割れ

■なりやすい人の特徴
(1)男性
(2)糖尿病罹病期間が長い
(3)血糖コントロールが不良
(4)喫煙
(5)高度の神経障害
(6)動脈硬化がありASO(閉塞性動脈硬化症)を合併
(7)高齢者
糖尿病による足の病気は治りにくく、繰り返し発症し、切断率は増加傾向

■主な症状
・足の指の変形(ハンマーのような形)
・爪の異常
・関節の変形
・足の色の変化
・皮膚の異常
・皮膚感染の有無
・神経障害の程度(アキレス腱反射、振動覚)
・足の動脈の拍動
■治療
安静が必要。軽症の場合でもなるべく歩かないように心掛け、まず血糖をコントロールすることが重要。重症感染症併発時はインスリンを頻回注射するか持続点滴。局所処置、感染症治療、血流障害治療、外科的治療とあります。最近では「マゴット治療(蛆虫治療)」も試みられています。
■フットケアのポイント(日常生活の留意点)
(1)血糖コントロールに気をつける
(2)禁煙
(3)足を観察し、いつも清潔に
(4)爪は深爪しないようにし、いつもきれいに
(5)正座などの姿勢を避ける
(6)火傷に注意(夏の砂浜、風呂には手ないし水温度計ではかってから入浴、暖房器具や携帯用カイロ)
(7)靴下をはきましょう

■靴の選び方
・靴は足のサイズが大きくなる夕方に選びましょう
・足の甲や足底にフィットし、つま先に余裕のあるもの
・靴底は広く、安定感があるもの
・調整可能なひも靴が便利
・新しい靴は毎日10〜15分はきならすことが大切(長時間はくのは、1〜2ヶ月後にしましょう)
・ランニングシューズは「魚の目」の防止に役立ちます

■靴下の選び方
・通気性のよい素材(柔らかく、吸湿性のよいもの)
・足を締めつけないもの
・足にトラブルのあるときは白色か淡色の木綿をはきましょう
・毎日はきかえましょう
<まとめ>
 糖尿病足病変は発見・治療が遅れると重症化し切断を余儀なくされることも多く、たとえ治癒しても再発率がとても高いので下記のことに注意してください。足の定期的診察とリスクの評価非潰瘍性の皮膚病変の治療自分にあった靴選び、調整患者・家族へのフットケアの指導 以上のことに注意して、足を大切にしましょう。病気を早期に発見することが治療の第一歩です。
「常に足の状態をチェックしましょう」
リンクのチェックシートを参考にしてください

タバコ(誤飲とニコチン中毒)について」

●はじめに
 厚生労働省の10年間追跡調査によると、中年喫煙者(40〜59歳)の死亡率は、非喫煙者に比べ、死亡率が男性で1.6倍、女性で1.9倍高いことがわかりました。
 また、OTC薬(町の薬局で買える薬)とし発売されている禁煙補助剤のニコチンガム「ニコレット」は発売後3カ月で30億円の販売額を記録しています。
 喫煙率の高い日本において、家庭内で最も身近にある毒物がタバコであるという認識は低いようです。小児によるタバコの誤飲は日本において家庭内で起こる中毒事故の常にトップに位置していて、他国とは比較にならないほど頻度の高い中毒事故です。日本の中毒センターの2000年度受信報告によると5歳以下の乳幼児での中毒事故原因をみると、米国は0.61%に過ぎないのに、日本では23.9%とタバコ製品がトップになっています。

●ニコチンとは
  タバコの葉より分離されたアルカロイドのことでタバコの葉には2〜8%含有しています。ニコチンは皮膚、呼吸器、粘膜(口腔、直腸)から吸収され、末梢神経系および中枢神経系に、最初刺激・興奮作用を示し、のちに持続的な抑制作用を示します。2〜5mgで吐き気、非喫煙者では4〜8mgで重篤な症状を引き起こします。
 経口摂取すると、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などを呈します。その他のコリン作用として発汗、縮瞳、一過性心停止、発作性心房細動が起こるかもしれません。また、頭痛、めまい、混乱、なども報告されています。中枢神経系の興奮作用として振戦や時に痙攣が起こり、その後、血圧低下、昏睡が起こります。呼吸器に対する作用として初期に呼吸促迫、後に呼吸困難が起こり、呼吸数が減少し、チアノーゼがみられます。。毒性についてはvery toxicに分類されていて、ほぼパラコートと同程度です。以前は便秘治療の浣腸剤や外傷の湿布剤として使われたこともありましたが、現在は使われていません。

●ニコチンの致死量
 日本での致死量は成人で40〜60mg、小児で10〜20mgというのが通説となっていいます。これに基づくと小児ではタバコ1〜2本に致死量のニコチンが含まれていることになります。しかし明らかにニコチン量として致死量以上を摂取した患者でもそれほど重篤な症状を呈していないのは、ニコチンによる強い催吐作用により致死量が吸収される前に胃が空になってしまうこと、肝臓での初回通過効果により速やかに不活性化すること、さらに腸管からの吸収が遅い事などが理由にあげられます。

●タバコ浸出液の毒性
 
ラットを使ってニコチンとタバコ浸出液の急性毒性を調べたところ、1回摂取におけるLD50値(集団の半数が死亡する量)はニコチンもタバコ浸出液も有意な差はなく、吸収の遅延と致死時間の延長が見られました。このことは、作用は遅くなる可能性はあるが、毒性の強さは変わらないことを表しています。
 この結果から、致死量以上のニコチンに相当するタバコ浸出液を摂取した場合には適切な処置を施さなければ死に至る危険性があります。

●対処法
  特異的な解毒薬はありません。吐かせた後、活性炭を投与するのが有効であるという報告もありますが、一方で痙攣や昏睡を引き起こす恐れがあるので、無理をして吐かせる事は望ましくないという意見もあります。痙攣にはジアゼパムまたはバルビツール酸類を投与します。流涎や下痢などの初期のコリン作用には、硫酸アトロピンが有効です。4時間以上生存している場合は、ほとんどの場合死亡することはありませんが、摂取2日後に死亡した例もまれにあります。
 一般的に乳幼児が誤飲した場合、ぬるま湯や牛乳などを飲ませて吐かせることがすすめられます。しかし、ニコチンは0Hの低い胃内ではあまり吸収されることがなく、腸で吸収されることから、ぬるま湯を飲ませることで胃内容物を腸へ押しやる可能性もあり、家庭内での初期処置の指針も検討する必要性がありそうです。

●禁煙補助剤による中毒の危険
  現在、日本を初め多くの国で禁煙補助剤であるニコチンガムが薬局で手軽に購入できるようになりました。米国ではニコチンパッチもすでにO4C薬となっていますが、このニコチンガム、ニコチンパッチによるニコチン中毒も多く報告されています。
 ニコチンガムを4個(2mg/個)以上噛んだ5例の小児のうち4例に、15〜30分以内に中毒症状が現れています。また、1日2箱喫煙していた女性が1個のニコチンガムを噛んだ後、吐き気、発赤、口渇、動悸、嘔吐、下痢、混乱、腹痛を呈するなどの重篤な中毒症状を表した例もあります。
 ニコチンパッチでは、36例の小児による中毒事故が報告されています。半数が皮膚に貼り、半数が、噛んだり、飲み込んだりしています。14例で消化器症状、脱力感、めまい、発赤などの症状を呈しています。

●タバコによる中毒事故をなくすには
  家庭内にタバコ製品を置かないことが最もよい手段ですが、せめて乳幼児の手の届くところ(床から120cm以下)にはタバコ製品や灰皿などを置かないこと、乳幼児の前では喫煙しないこと、灰皿に水を入れないこと、缶コーヒーなどの空き缶を灰皿にしないことなど普段から注意が必要です。
 
また、生後5ケ月過ぎると、乳幼児は何でもつかんだものは口に入れる習性があり、これは人間の正常な発達過程なので、注意しないとタバコを食べる事故は当然起こりうることを頭に入れておく必要があります。

●タバコの中のニコチン含量とニコチン収量
  日本では国産製品が約100品目、外国製品が約200品目販売されていますが、日本でのタバコ販売実績の約70%のシェアに相当します。
 「nicotine content(ニコチン含量)」とは「紙巻タバコ1本当たりの刻みの中に含まれているニコチンの量」のことです。
 「nicotine yield(ニコチン収量)とは「紙巻タバコ1本当たりの煙の中に含まれているニコチンの量」です。
 タバコの側面に書いてある「タール24mg、ニコチン2.4mg」といった表示はそれぞれタール収量、ニコチン収量とよばれます。タール収量はニコチン収量のほぼ10倍程度です。日本では大蔵省で定められた方法により測定されます。

●低収量タバコの方が健康によいのでようか?
 煙の中のニコチン量が0.1mgしかないはずの銘柄でも、喫煙者は1本のタバコを喫煙することのより、平均して1〜3mgのニコチンを摂取しています。なぜ、このようなマジックがおこるのでしょうか? 例えば、最もニコチン収量(0.1mg)が少ない「フロンテアライト」「ネクスト」の実際のニコチン含量を見てみると、それそれ6.94mg、12.72mg含まれていることになります。これはパッケージの表示の100倍以上のニコチンが含まれています。普通、喫煙者は1本のタバコを吸うと10〜30%のニコチンを摂取すると言われているので概算すると1〜3mg摂取しても不思議はありません。
 ニコチンやタール収量は、煙中の成分をフィルターに吸着させることによりコントロールされています。またフィルターの周囲には小さな孔があり吸煙時にこの孔より空気が流入して口から入る煙が希釈されます。しかし、実際に人が吸う場合には指や唇で孔を塞いでしまうため希釈されないことがあります。また、口から流れ込む煙中のニコチンが少ないと、ヒトは無意識に肺まで深く吸い込み表示された収量より多く摂取する結果となります。
 さらに、低収量タバコに切り替えると喫煙本数が増える結果となったり、高収量タバコの喫煙者より、禁煙に失敗するケースが増えるという結果も出ています。米国国立防疫センターでも「低収量タバコの方が発癌性のリスクが少ないというエビデンスはない」と言及しています。

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